一日一書〜青橋由高の限りない物欲

 売れない小説家・青橋由高が物欲(主に書籍と自転車関連)に任せて集めまくった品々をひたすら羅列するブログ。

新井輝

ROOM NO.1301 #11 新井輝

ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック!
新井輝(著)・さっち(イラスト)
富士見ミステリー文庫
健一の恋愛を探求する物語、感動の完結!

冴子が倒れた−−病院に駆けつける健一。綾と刻也は何も言わないが、冴子は助からないと覚悟している様子にも見えた。「大丈夫ですよね?」健一は声を荒らげるが。幽霊マンションの面々、そして健一はどうする?

 いよいよ完結編。

 心配していたあのシーンは読んでいて逆にびっくりするほどあっさりしていて、それが逆に色々なことを考えさせます。
 過剰な装飾をせず、ただ淡々と、けれど必要最低限の情報だけは的確に連ねて、健一を、この物語の主人公たる健一を余すところなく書ききってくれた、そんな気がします。

 一巻の冒頭でほぼすべて描かれていたように、やはりオチに変化はありませんでした。作者に向けて延々と毒電波(「奇跡を起こせー、奇跡を起こせー」)と垂れ流していましたが、当然のように未着だったようです。そりゃそーだ。

 が、しかし!
 私がずっと「ヒロインは綾でも千夜子でも冴子でもなく、ましてや鈴璃でもなく、絶対にホタルだッ!!」と言い続けてきた願いはどうやら作者に届いたようで(大嘘)、最後の最後に嬉しいエピソードを読むことができました。
 ふふふ、これだけで私は満足だ!!


 嬉しい驚きはホタル絡みのエピソードだけでなく、エピローグにも満載でした。
 てっきり、健一たちは最後まで……と覚悟してたんですが、まさかの嬉しい誤算。


 さーて、これから1〜10巻のプロローグとエピローグをまとめ読みするか!

『さよなら、いもうと。』 新井輝

さよなら、いもうと。 (富士見ミステリー文庫)
新井輝(著)・きゆづきさとこ(イラスト)

大切な人が、そばにいると嬉しい。ある兄妹の物語―。

トコが死んだのは三日目のことだった。交通事故だった。大型トラックに弾かれたとだけ聞かされた、遺体は見ない方がいいと言われた。そんな死に方だった。
そう、そりゃ言葉では分かっている。人間いつか誰だって死ぬってことは。自分であれ、他人であれ、事故なのか、病気なのか、寿命なのか。
でも、俺は死ぬってことがまだよく分かっていなかった。そしてもっと分かっていなかったのは、人が生き返るってことで―。
由緒正しい魔法の日記に書かれていた「お兄ちゃんと結婚したい」という言葉のせいなのか、妹―トコは生き返り、また俺と暮らすことになったんだ…。

新井輝が描くどこにでもいる普通の兄妹の、普通ではない数日間の物語。それは、ちょっと素敵でちょっと切なく心に染みわたっていく―。


 きゆづきさとこさんの可愛らしいイラストと「妹モノ」という響きに「萌え!?」と勘違いした人も結構いたそうですが、このあらすじと「さよなら」というタイトルを見れば、そーゆーお話じゃないことはおわかりかと思います。

 ただし、これまた少なくない方が想像するような鬱展開とかお涙ちょうだいものでもありません。そんな単純な作品じゃないんです。
 だって、書いてるのが「ROOM NO.1301」シリーズの新井輝さんですもの。


 ストーリーは、あらすじにあるとおりです。
 突然の交通事故で妹を喪った兄の視点で、(誤解を恐れずに書けば)淡々と物語は進んでいきます。そこに、湿っぽさはほとんど感じられません。むしろ、心地よいくらいに乾いた、冬の朝に感じるような、あの澄み切った空気感があります。

 生き返った妹のあっけらかんとした言動がそう思わせるのかもしれませんが、新井さん独特の文体が大きく寄与してると私は感じました。


 しかし、読んでいる人間がみんな予想するように、物語はある一点に向けてゆっくりと、けれど着実に進んでいきます。進んではいきますが、そのスピードは極めて緩やかで、そして「イタクない」のです。


 あっさり、という言葉が妥当かは疑問ですが、そんな感じでこの不思議な物語は(一応の)決着をします。
 しますが、それは新しいスタートでもあり、これが本当の終わり、とも思えない、そんなエピローグに繋がっていきます。


 湿っぽい題材ですけど、読後感はいい意味でさっぱりしている作品です。


 あとがき読むと、続編の構想もあったような……?
 もし続編があるとするなら、どんな話になったんでしょうね。凄く気になります。
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